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July 01, 2017

アノテーションにあいわたるとは何のいいぞ

→敗因はやはりあの、モバイルフレンドリーではありませんである。わたくしにはホームページがあって、それはみずからがひらいている塾のホームページで、もうつくってからずいぶん時間もたって古くなって、つくった本人さえめったに思い出しもしないような悲しい、うらさびれたやつである。これを先日たまたまゴーグルで検索してみたところ、だいたいゴーグルの失礼なところは、わたくしの風前のトモシビの塾が検索の上位にあらわれるなどということはありえないにしても、それにしたってやがて候補のどこか末席ぐらいはけがしてくれててもばちはあたるまいとおもうのだがしかし、いけどもいけどもわたくしの塾が候補にまったくあらわれない、それどころかどんどんカスリもしなくなってゆくというのは、これはどういうことなのだ? それはさすがになにかがおかしいんじゃないかと思うのだが、だれにどう文句をいっていいのかさえわからないのでおとなしくしていた。これが先日検索をしてみたところ、どういう風のふきまわしか候補にあらわれて、あらわれてくれたのはいいのだがその下に「このページはモバイルフレンドリーではありません」と、こうである。余計なお世話もいいところである。だいたいわたくしはモバイルは持っていないしそもそもモバイルという言い方がなにか気に入らないし、そんなのとフレンドリーになりたくないというかそれ以前にわたくしはだれともフレンドリーであったためしなどないヘンクツ者であるだからほっといてくれといえるのならわたくしもたいしたものなのだが、もちろんそんな度胸などなく、あなたはフレンドリーではありませんときっぱり言い切られてわたくしはいっぺんにしゅんとなってしまった。シオシオになってしまった。すみませんでした。わたくしが悪かったです。それでわたくしはなにをどうすればよいのでしょうかといろいろとゴーグルのホームページを読ませていただいたところ、アノテーションなのだそうである。これがどうみても敗因である。よくわからないんだけど。ええと、あの、アノテーションでなんでしょん? はじめて聞きました。アジテーションならちょっとわかる気がするんですけど、あれの親戚かなにかでしょうか。それともあの、なにかわたくしをだまそうとしてないですか? わたくしだけでなく、ゴーグルさんあなた、世の中全体をあらぬ方向へと導こうとしてないですか? わたくしのおもいすごしならばいいのですが、いえあのですね、どうもゴーグルさんは難しい聞いたことのない言葉をあちこちにちりばめて、アノテーションコノテーションでわたくしをだましにきてはいないですか? あなたのところのホームページを読ませていただいていると、わたくしは、どうにもなんだか不安でしかたがなくなるのです。心配になってくるのです。たしかに世界でなにかがおこりつつある、だがわたくしはそれがなんなのかわからない、わからないまま取り残されてゆく、という心配です。というわけで心配になったわたくしは、おとなしくモバイルのフレンドリー化をすすめることにした。そこからさきの艱難辛苦にかんしては、これはもう筆舌に尽くしがたいモノがある。どれほど苦労したかというと、だれもそんな話は聞きたくないだろうからはしょるけれど、ひかえめにいってわたくしは死ぬかと思いました。もはやこれは死ぬるのではあるまいかと思いながらフレンドリーしました。フレンドリーとはこんなにしんどいものなんですか。泳げども泳げどもあかりが見えない夜の海で必死に手足をふりまわしてもがいているような気分でぱたぱたとキーボードをはたいてはアタマをかきむしるというのをワンセットで100セットほど繰り返し、そうしてどうにか最後のページまでフレンドリーにしてみた。最後のページというのは「定期テスト対策」というやつである。なんでこれが最後になったかというと、ページソースのなかに<script>があるからである。htmlならまだすこしはわかるのだが、この<script>というやつはいけない。お手上げである。見たくもない。あるいはつまり、そういう心構えがわたくしの最大の敗因なのかもしれないとは思う。はじめからもう、ややこしそうなのはおぼえる気がない。見たくない。なんとかその場しのぎでごまかせる方法はないかと、そういう都合のいいことばかり必死に考えて、いちからきちんと、基本からきちんとおぼえてやっていこうという気持ちがない。それでけっきょくかえって苦労が大きくなっている。話がややこしいことにどんどんなっていく。借金が借金をよんで借金がふくらんでいるようなのが、わたくしの開設しているホームページのソース状態である。じつをいうと。見ないでください。恥ずかしいです。

→いったい何がいいたかったのがじぶんでもわからなくなってきたのでたまには段落を変えて落ち着いてみた。ともかくフレンドリー化したわたくしのフレンドリー塾のフレンドリーホームページのフレンドリー定期テストフレンドリー対策コーナーには、英単語練習のページというのがあって、たとえば「問:友達」とかでてきたら、そのしたのマス目に「frend」とかいれると「不正解!」といってもらえるという、そんなかんじのやつである。そこをフレンドリーにしおえて、ああ、やっと全部フレンドリーにしたったわい、いまわたくしはついにフレンドリー、いやあみなさん、どうぞよろしくどもども。と、フレンドリーと大書された名刺をあたりのひとにくばってあるきたいような、ちょっと浮かれた気ぶんで家族のもののスマホを借りてきて、さっそく単語テストをやってみた。「問い:美しい」とでてきたので、ビューティホーと打ち込もうとして、でも入力のしかたがわからないのでそこはたずねながら「bea」まで入力したところで、「予測変換で上にbeautifulってでてるよ」と家族のものがいう。にわかには意味がのみこめずしげしげと画面をながめると、予測変換候補というのが打ち込もうとしている窓の枠上にずらずらとでていて、さあここからえらべ、これをつつけば入力完了、といわんばかりである。まだわたくしは「bea」までしかいれてないのに。おまえはサトリの妖怪か、といいたくなるくらいのあざやかさで「beautiful」と、こうである。え? なにこれ? こんなのでてきちゃうの? じゃあ単語テスト、意味ないじゃん? とわたくしが気づくのとどうじに、わたくしの背後にいた家族のものが「ぷふっ」と声をもらすのをわたくしは聞いた。わたくしはその声をたしかに知っている。それは、ひとが「わらっちゃいけない、でも、でも、がまんできない」というときにもらす声である。その声がうしろで聞こえた。だがいまは、そんなことを気にしているときじゃない。その件についてはあとで家族のものとじっくり話し合うことにして、とりあえずわたくしはもうすこしテストをつづけることにした。たしかに、こんなときまでフレンドリーとはたしかに、モバイルとはたいしたものである。でもね、これはテストなんだから、そういうときはそんなにフレンドリーになることはないんだよきみ、わかってる? とモバイルにいいきかせてみたところで事態はいっこうにかわらず、リブといれればライブラリー、ワンといれればワンダホー、つぎからつぎへとそのちょうしである。……。この敗北感はいったいなんなんだろう。しばしかんがえこんで、そうしてえた結論は、つまりわたくしの敗因は、じぶんでスマホをもってもいないのにフレンドリーになろうとしたところである。そこに尽きる。ような気がする。つまりこれはわたくしもスマホをもてと。つかえと。そういうことなのか。しかしなあ。わたくし、あれ、だめなんだよ。目がちっかちっかしちゃって。見えないんだよ。もうトシなんだよ。かんべんしてくれよ。と、フレンドリーすぎる単語テストページをまえにしたわたくしの心のなかをさまざまな思いがゆきかったという、うえをしたへのアノテーション。フレンドリーはこりごりだ。


上の文をよく読んだら、次の問いに答えなさい。

問い「けっきょく筆者は何に負けたのか。簡潔に述べよ」

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