ちょい悪
けさは目覚まし時計が鳴るまえにひとりで勝手に目をさましてしまい、そのまま起き出してそのへんをうろうろしていた。やがてセットしておいた時間がきて目覚まし時計が鳴り出した。いつもはすぐにおれがとめるのだがきょうは寝床にいなかったのでとめるものがいない。しぶしぶ女房が起きて時計をとめた。わたしはもっと気がすむまで寝ていたいのに。こんな時間に起きたくないのに。でもいつまでたっても鳴りやまないのでしかたなく起きて目覚まし時計をとめた。これはわたしに対するいやがらせなのだろう。そうにちがいない。あなたはいつからそんなちょい悪オヤジになってしまったのか、といわれたのだが、どうもうちの女房は「ちょい悪オヤジ」というものにかんして認識がちょっとまちがってるとおもいました。●きょうのばんごはんはカレーであった。カレーはかなりしょっちゅうつくる。具体的にいうと、「またカレーなの?」と苦情がよせられるぎりぎり一歩手前をみきったあたりの頻度でつくる。カレーそのものは簡単だが、このぎりぎり一歩手前をみきるというのがむずかしい。おれがみずからをカレー名人とジフしている、ここがそのよりどころである。きょうのカレーもまた、いつもとおなじ、なんの変哲もないカレーであった。そして、いつもとおなじ程度にうまかった。そして、「またカレーなのか」という苦情もこなかった。名人芸であろう。ちなみに肉は、豪州から日本向けに輸出された偶蹄類の動物の肉を投入した。かんたんにいうと、オージービーフというやつである。なんか、せんじつたまたま「豪州から日本向けに輸出される偶蹄類の動物の肉及び臓器並びにそれらを原料とするソーセージ、ハム及びベーコン等の肉加工品の家畜衛生条件(仮訳)」という文章を目にして、なんだかご苦労さんな翻訳であるなあ、いろいろとご苦労さんな世界であるなあと感心したのでこれからはおれもたんにオージービーフなどとひとことですませず、豪州から日本向けに輸出された偶蹄類の動物の肉、とよんでいろいろと各方面のご苦労に敬意をひょうしてみることにした。ご苦労さまです。まあまあうまかったです、偶蹄類の動物の肉。●よのなかには有蹄類といういきものがいる。それは偶蹄類と奇蹄類というふうにわけられる。さらにポニー蹄類というのがかつてはいて、おれが高校生のころはしょっちゅうまちなかでみることができて、原宿の歩行者天国で踊りを踊ったりなどしていたのだがいまでは絶滅してしまったようだ。食用とされるのはおもに偶蹄類とポニー蹄類で、どっちがうまいかときかれれば個人的にはポニー蹄類がすきです。いやうそです。くっちゃいかん。
Recent Comments