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December 18, 2005

ほんじつのにっき

きょうはフィギュアスケートの大会で十五歳の女の子が優勝するのをテレビでみた。ことしの世界チャンピオンだそうです。すごいねえ。感心しました。でも年齢制限でオリンピックにはでられないそうです。年齢制限? そんなのオリンピックにあったんですか? 興味をもったのでいまちょっとしらべてみたら、医学的見地から制限されてるものならしい。やはりアレは医学的にみてからだによくないものであったか。かねてからおれはどうもスポーツというのはからだによくないとおもっていたのですが、オリンピックもそのへんについては認めておったか。なんだか自論が支持されたようでうれしいです。みなさん長生きしたかったらスポーツはやめましょう。
しかしオリンピックというのはどこか矛盾したところがあって、からだによくないのは承知のうえでやっているんだというのなら、もうなんでもありにしちゃえばいいのにとおもう。とくにドーピングというやつですけども、あれを禁止にしてるからなんだかごちゃごちゃとめんどくさいことになっている。なんでもありにすりゃいいのに。からだによくないということで禁止してるみたいなんだけど、そもそもオリンピックなんてのはからだにはよくない。みてるほうは関係ないけど、やってるほうはぜったいからだにはよくない。どうせよくないんだからもう、なんでもありにしちゃうわけにはいかんのでしょうか。やりたきゃやれよ、やりたいやつはなんでもやれよ、というふうにするわけにはいかんのですか。だって、たとえば肉体改造手術みたいな手術をうけるのはありだけど、くすりをつかうのだけはダメっていうのはどうもよくわからない。なんでくすりだけはなしなのかねえ。ドーピングで死人がでたから、という話をきいたことがあるけど、それだったら練習だって死人がでてるとおもう。たぶん。死人がでるのがだめというのなら、練習も禁止にしなくちゃおかしい。でもそんなことはできるわけはない。死人がでるとか、そこまではいかないにしても、けがをしてもうそのスポーツができなくなるかもしれないようなハードな練習というのはよくきく話で、でも練習は練習なので、ありにしとかなくちゃならない。そのたいろいろ、ほかのことはなんでもありだけど、くすりをつかうのだけはだめというのは、ちょっとよくわからない。もういっそなんでもアリというのがわかりやすくていいとおれはおもうんだけど。ドーピングも改造人間もなんでもアリ。そのうち100メートルを三秒くらいではしっちゃったりとか、高跳びで10メートルくらいとんじゃったりとか、そういう日がくるかもしれない。それはそれでたのしいんじゃないかという気がします。

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December 16, 2005

ほんじつのにっき

●きょうたまたま中華料理屋で知り合いにであったんだけど、さいしょむこうがおれに気がついて、でもどうもおれの風体があまりに怪しげでこえをかけられなかったらしい。で、おれのまえにスーっとあらわれて、おれに気づいてもらうのをまっていた。おれがこえをかけると「もしかしたら人違いかもしれないとおもって、こんなやばそうなひとに人違いをしてからまれたらどうしようかと」みたいなことをいってておかしかった。どうもおれはいつのまにか人相風体ひじょうにこのもしからざる状況になってるみたいです。ちょっと油断をしているとすぐにそういうふうになってしまって、われながら不徳のいたすかぎりです。すまんです。そういえばどうもさいきんおれがオモテをあるいてるとみなさん道をゆずってくれるんだが、これは気のせいかとおもっていたのだがもしかしたら気のせいではなかったのかもしれん。
●関係ないけど宮部みゆきの本をよんだ。はじめてよんだんだけど、ミステリーのひとだとばかりおもっていたのだが、そういうんではなくて、心霊現象というか、霊魂というか、たんばてつろうみたいなかんじだった。たまたまおれのよんだ本がそうなだけなのかどうかはしらない。まあミステリーだろうがたんばだろうがおもしろければそれでいいです。けっこうおもしろかった。「このさきどうなるのかなあ」とおもいながらよめた。あとさいきんだと、戸梶ケイタ(だっけかな)っていうひとの本を三冊よんだ。さいしょたまたま、みんなして自殺する本をよんだらかなりおかしくて、これはおもしろいと図書館にいってべつな本をかりてきた。ペットのウラ売買をしてるところを強盗する話でまあまあおもしろかった。それでまたかりてきて、つぎにかりてきたのはこないだもちょっとかいた、湾岸リベンジャーっていう本で、これもけっこうおもしろかった。ので、さらに女医がでてくる本をかりてきたのだがどうもそこで飽きてしまったらしく、10ページくらいよんだところで読む気がなくなってやめた。これはよんでない。もうたぶんよまない。けっきょく自殺の本がいちばんおもしろかった。わらえる。そのまえは村上春樹の海辺のカフカをよんだ。おもしろかった。村上春樹の本って十年ぶりくらいによんだが、おもしろかったので、そのあと、さいきんでてた短編集をよんだ。これもおもしろかった。ハワイで鮫に息子をくわれてしまうおかあさんの話と、さいごの話が印象にのこった。それでもっとよみたくなって、オウムのひとらにインタビューする本をよんだのだが、これはとちゅうで飽きてやめた。そんなわけでさいきんけっこうドクショカです。

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December 13, 2005

茜色の夕日

●ツタヤでうろうろしていたら大本営発表みたいな店内放送で「茜色の夕日」という歌がかかって、きいていたら感激してなきそうになってしまった。いまだにそういうことがときどきある。そのあとレンタルで借りてきて、もう三日くらいこれしかきいてない。百回はまちがいなくききました。でもちっともおぼえてなくて、歌おうとすると「あかね〜いろの〜ゆうひ〜ながめてたら〜」までしかでてきません。でだしのところだけ。あとは断片的に「アリマシタ〜」とか「シ〜マッタ!」とか、ところどころしかでてこない。しかたないのでいきなり「アリマシタ〜」とかくりかえし歌っているととヨメに「なんやねん! なにがあったんや!」とつっこまれて、しかしおれにもわからず、「なにがあったんだろうねえ?」とたじたじとなったりして、なにをきいてるんだかわれながらよくわからない。すいません、そもそもこれ、なんの歌なんですか? こんだけきいてるのにさっぱりわかっていません。
●しかし、この録音は感動的だ。オルガンはおれの胸の中のスポンジにしみこんでくるみたいな音だし、スライドギターも夕焼けの空をひくく飛んでくし、ベースはなんにも主張をしないし(理想だ)、ドラムもいい音がしてる。とくにこのドラムというのは、ドラムのチューニングまでがわかるように録音されてるバンド音楽というのは、こんっなにバンド音楽がチマタにあふれまくっているのにもかかわらずじつはあんまりなくて、だからこういうのをきかせてもらえるとうれしくなってしまう。ドラムの音っていうのはむずかしいめんがあって、録音するとぜんぜんちがう音になる。おれはドラムのことはあまりしりませんが、録音用のチューニングというのがたぶんあって、しかもマイクのおきかたひとつで音がまるでかわったりして、そのへんの組み合わせはもう無限なので、気にいる音をつくろうとすると、おそろしく手間のかかる作業になる。音をきめるまでに一週間くらいはへいきでかかる。おまけにこまったことに、音というのは、似たような音を一週間もきいてると、感覚がまひしてきて、わけがわかんなくなってしまう。なにが良い音でなにがわるい音なのか、いじってるうちにわかんなくなってしまう。ドラムのレコーディングというのはほんとうにやっかいで、だいたいはそんなめんどくさいことにテマヒマかけてられないやというわけで、スタジオだって無限にかりてるわけじゃないし、だからちゃっちゃとエコライザーでそれふうに加工してしまったりするわけだけど、それをしたとたんにいっぺんに無価値な音になってしまう。エコライザーがすべての堕落の元凶だ。やってるほうはもちろん、百も承知なんだろうけど、でも、つかわざるをえない、しょうがない事情というのがあるんだろう。
●きくほうがわるいんだとおもう。やるほうもよくないけど、きく側がそれをうけいれてしまうから、こういうことになってしまう。みなさん、もっとドラムをちゃんととれ、とはっきり主張しましょう。せっかく人間にドラムをたたかせるのなら、まともな音でとりましょうよ、と。
●ドラムをちゃんととろうとする姿勢をみせてくれたこのバンドはフジファブリックというバンドで、ボーカルの出身地は山梨であるらしい。
●というわけで、ちと強引な話題のつなげかたですが、山梨といえば甲、ついにやりました。昇格しました。快挙であります。いぜんなんだかんだとからかっていたことがありましたが、ここで自己ヒハンします。おれがわるかった。おみそれしました。どげざ。

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December 09, 2005

サンプリング

●とつぜんですがカイシャというところには「あのヒトはふだんなんの仕事をしてるんだろう」「どうもちっともはたらいてるようにはみえないんだけど」「ほんとにもうなんなのあのひと」という社員がいて、そういう謎な社員の日常業務をしらべる手法にもサンプリングというのがもちいらるるようで、これはなにをするかというと、たとえば5分おきなら5分おきというふうに時間をきめて、その瞬間にかれはなにをしていたかを記録して、それでそのひとの一日を推察したりするわけです。そんなテキトーなやりかたでほんとにうまくいくのかという気もするんだけど、ためしにわたしのような模範社員の一日をサンプリングすると、わたしのばあい、
9:00 パソコンをたちあげる
9:05 エロサイトをみる
9:10 エロサイトをみる
9:15 エロサイトをみる
9:20 エロサイトをみる
9:25 あくびをする
9:30 エロサイトをみる
というふうになって、つまりわたしはえんえんとエロサイトをながめてときどきあくびをしているという、たいへんなゲキムにさらされているというのがコクメイに浮かびあがってきてしまいます。このようなゲキムに耐え抜いた一日のつかれをいやしてくれるもの、それはキンギョです。ここでわたしの帰宅後のサンプリングをしてみますと
7:00 キンギョをながめる
7:05 キンギョをながめる
7:10 キンギョをながめる
7:15 キンギョをながめる
7:20 おこられる
7:25 エロサイトをみる
7:30 おこられる
7:35 キンギョをながめる
と、これまたいやされてるんだかおこられてるんだかわからない状態で、それはもうたいへんです。たいへんなのか。
●話はぜんぜんかわって幸運の女神について。日頃からなっとくのいかないものがあるのですが、それは幸運の女神の前髪です。「幸運の女神は前髪しかない」とかいうではないですか。その話をきいたときにみなさんはなんだかみょうちくりんな、へんなモノを想像しませんでしたか。オレだけか? いやきっとみんなオレとおなじ想像をして、なんとなくイヤ〜な気持ちになったはずだ。だって、前髪しかないひとって、ヘンだよねえそれは。「幸運の女神」なんていうくらいだからものすごい美人っぽいじゃないですか。そうあってほしいじゃないですか。なのに前髪しかないんだよ? それはもうなにをどう着飾って、どんなにおしゃれをしたってどうしようもない。カツラくらいつけたらどうなんでしょうか。それとも幸運の女神はおしゃれには興味がないのでしょうか。女神のくせに。
●まあいちおう想像図。
megami
●やっぱりへんだった。
●そんな話はさておいて、いよいよあしたですね甲。もしあした勝てたら、ついに芽が出たという意味をこめて、ついに一歩突き抜けたという意味をこめて、これからはきみを「申」とよんであげましょう。がんばってください。ゆけゆけ甲、さあ、女神はいまきみの眼前に。


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December 07, 2005

ゴーコン

おれは将棋オヤジなのでプロ養成機関の奨励会の成績というものにも目をとおしたりする。といっても将棋雑誌をかってくると成績表がのっているから、なんとなくながめてるというていどのことなんだけど。で、そこにかなりまえから気になるなまえがあって、「郷右近力」というなまえである。勝手になまえだしちゃってごめんなさい郷右近力さん。でもわたし、いぜんからあなたのことが気になっていました。なにが気になるって、そもそもどこできったらいいのか、そこからしてわからない。よみかたなんて、いよいよわからない。かわったなまえだなあとおもっていたらさいきん、どこできったらいいのかわかった。郷右近・力ならしい。しかもやっぱり郷右近というのはゴーコンとよむらしい。なんというか、運命のいたずらとはふしぎなものであるよなあとおもわずにはいられない。郷右近なんて、かなりカッコいいなまえじゃないですか。なまえをきいただけですでにちょっと恋がめばえてしまうくらいカッコいいじゃないですか。じっさいたぶん、明治時代とか昭和前半にはそうとうな名字パワーを発揮してたっぽいじゃないですか。それがやがて時代がすぎて「合コン」という言葉が発明されてしまったおかげで、とたんに郷右近パワーはあとかたもなく消え去り、かわりに「え? 合コン? あなた、合コンさんていうんですか? へええ」という反応しかかえってこないという、なんだかわけのわからないことになっているにちがいない。かわいそうな郷右近一族。郷右近さんにかぎっては「合コンをちがう呼び方にかえろ」と主張することがゆるされるとおもう。そういう希有な一族であろう。郷右近さんだけには「合コン? なんだそりゃ。合同コンパ? ますますなんのことだそりゃ。だいたいコンパってなんなんだよコンパって。そんな意味不明なものを合同でおこなうから略して合コンって、なんだよそれ、意味わかんねえよ、おれは認めないよ、ぜったいに認めないよそんなの」くらいはいわせてあげるのはしょうがない。でも郷右近がどんなに力説しようとあれはもう合コンなのであって、たぶん未来永劫合コンなのであって、したがって合コンさんもそのかなしいさだめからは逃れようもないのであった。かわいそうな合コン。
こういうふってわいたみたいな不運というのはときたまあって、いまでも「あれはかわいそうだよなあ」とおれがおもいだすのは瀬田たくろうくんのことである。瀬田たくろうくんという男の子が小学生のときの同級生にいて、べつにこの時点ではふつうのなまえである。なんともおもわずにときどきいっしょにあそんだりしていたのだが、やがて二十歳をすぎたころに、セパタクローという、バレーボールみたいなケマリみたいなハネツキみたいな風変わりなスポーツがわがくにに紹介された。セパタクロー? …なんかきいたことあるなあ、と、はじめてこの名称をきいたとき、なにか聞き覚えがあるようが気がした。でも、それがなんなのか、とっさには思い出せなかったのだが、しばらくして、なんの関係も脈絡もないときにフトおもいあたった。あっ、セパタクローって、瀬田たくろうくんだっ。瀬田たくろうと一字ちがいなんだっ、とおもいあたってしまった。そのころはすでに、たんなる小学校のイチ同級生にすぎなかった瀬田くんとは音信不通になっていて、どこでなにをしているのかはさっぱりしらなかったのだが、きっと瀬田くんはかげでまわりのひとからセパタクローっていわれてるんだろうなあと胸をいためずにはおられなかった。不運であった、と、おれにはもう、それしかいいようがない。ゆいつかれをなぐさめるとしたら、まだカバティーじゃなくてよかったね、と、それくらいしかおもいうかばない。よのなかにはこういう不幸な偶然というのはそこらじゅうにころがっていて、本人がどんなに努力をしようと関係のない不幸な偶然というのはたしかにあって、それは明日は我が身かもしれないし、あなたの身にふりかかってくるのかもしれない。

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December 05, 2005

英語ジジ

しばらくまえに、うちの両親がすんでいる家の近所におおきなスーパーができた。それでうちのチチはほぼ毎日やすみなくそこにいって、時間をつぶしてかえってくる、ということをしているらしい。時間をつぶすといっても、がんらい大変に社交的かつ陽気な男なので、あたりかまわずそのへんにいるにんげんをつかまえてぺらぺらとしゃべりたいことをしゃべって、そうやって時をすごしているらしい。毎日何時間もそういうことをしているとやがては仲間もできてきて、いまではそのスーパーの休憩スペースはうちのチチをふくむその一味(全員老人)の独占状態となっているらしい。迷惑だろうそれは。スーパーにとって、さらにはそこで休憩をしたいふつうのお客さんにとって、迷惑以外のなにものではないだろう、とたしなめたりもするのだが、チチはぜんぜん聞く耳をもたず、毎日毎日そこにでかけているようだ。この老人クラブにさいきん、いっぷうかわったジジが入会してきた、という話をきいた。英語を話すのだそうだ。いや、たんに英語が話せるという意味ではない。基本的にふだんから英語しかしゃべらないらしい。外人なのか、ときくとそうではなく、日本人だとチチはいう。日本語できないのか、ときくと、もちろん日本語はできる、という。じゃあなんで日本語をしゃべらないのか、ときくと、なんでなのかはオレだってそんなことはしらねえよ、という。こっちが日本語でしゃべっててもむこうは英語をいってくるからなにをいってるかわかんねえんだ、という。謎の英語ジジである。見た目日本人のジジに「○○さんこんにちは」と話しかけると「ヘッロ〜、ヘイユガ〜イズなんちゃらかんちゃら〜」とこたえてくる、ということであるらしい。おれはその状況をあたまのなかにおもいえがこうとしてみたが、どうにもうまく想像できない。これにはちょっと興味をいだいてしまったので、チチにその謎の英語ジジについてもっとくわしくきこうとおもい、いろいろとたずねるのだが、うちのチチもちょっととんちんかんなところがあって、うまく会話がすすまない。
「なんなのそのひと。なんで英語なの?」
「なんでだかはしんねえなあ。ところでおまえのすんでるとこ、古本屋あるか? 半額の古本屋」
「古本屋? そりゃあるけど。それよりそのひとはなんなんだよ。なんでふつうに日本語で話さないんだよ。それじゃだれとも話ができないじゃないか。それ、だれも注意してやんないの?」
「みんないってるよお、日本語話せって。でも英語なんだよなあ。なんでかなあ。それより古本屋、あるだろ、半額の」
「なんだそりゃあ。だって日本人なんだろ? 日本人のじいさんなんだろ? そんで毎日あそこのスーパーにきて、みんなにまじってひとりで英語しゃべってんの? わけわかんねえ」
「こないだテレビでみたんだけどなあ、おう、古本屋の。すげえなあれ、なんてんだっけなあ、名前わすれたけど、とにかく古本屋でなあ、もうかってるらしいぞあれ」
「そのひとっていままでなにやってたひとなの? 家でも英語でしゃべってんのかな」
「おまえ、名前しらねえか? 古本屋だ、古本屋。半額の」
なんていうか、うちのチチはそういうひとである。としをとってボケたとかいうわけではなく(そういうめんも多少はありますが)、むか〜しっからずっとそういうひとである。会話をするのが困難なひとなんである。チチにこれいじょう説明をもとめてもムダなので、ものはためしにハハのところにいって、謎の英語ジジについてなにかしらないかとたずねてみた。なかなかこのジジは有名ならしく、ハハもしっているという。なんでも、ハハのしりあいのおばさんで、コーラスサークルに入会しているひとがいて、そのサークルにこの英語ジジがさいきん入会してきて、あんのじょうみなさんからけむたがられているらしい。
「ああ、そうそう、あのひとねえ、近所に沢村さんていうひとがいてねえ、こないだ話をしたんだけど、沢村さんのはいってるコーラスのあつまりにはいってきて、そこでも英語しかしゃべんないんだって。おまえここはどこだ、日本だろ、日本にいるんだから日本語しゃべれっていってもちょっとしか日本語話さなくて、すぐにまた英語しゃべりだすんだって。もう、アッタマきちゃうのよ〜って沢村さんも怒ってたよ。なんであんなのつれてきたんだって」
「つれてきた?」
「そうよ〜、うちのだんながつれてっちゃったのよ〜」
「え? オヤジが?」
「そうそう、あのひとさいきん沢村さんのコーラスグループに入会してさあ。なにかんがえてんのかねえ、あのひとも。そんで、女ばっかり120人もいるグループで男はじぶんひとりでまずいとおもったんじゃないのかねえ、あそこのスーパーにあつまってくる不良老人をみんなつれてって入会させちゃうのよ。それであの英語のひともつれてっちゃったみたいでさあ、沢村さん怒ってるのよ。クリタさんはいいのよ、クリタさんはいいの、でもねえ、あのひとは困る、なんであんなひとをつれてきたんだって。そんでねえ、コーラスの練習したあとみんなでお食事するんだってね。こないだはサイゼリヤにいったらしいんだけど、そこでもひとりでワインなんかのんじゃって、ボクはワインがすきだからワインをのむっつってワインのんで、そのあと電卓をとりだしてピッピッピなんて計算しちゃって、ボクのぶんのおかねはこれだからって、じぶんのぶんしかおかねださないんだって。男なんだからみんなのぶん払うくらいの気持ちはないのかよって、沢村さん怒っててさあ、一時間よ一時間、一時間もなんだかんだと話しこんじゃったのよお、こないだ、沢村さんと」
よくわからないが、とにかく英語ジジはずいぶんときらわれているらしい。サイゼリヤでワインをのんで割り勘で勘定をはらっただけで怒られてしまうんだから、これは相当にきらわれているとしかいいようがない。そのへんはわかったのだが、肝心の英語ジジの正体についてはハハにきいてもやっぱりわからない。謎の英語ジジ。こんどおれもスーパーの老人クラブにちょっといってようすをみてこようかな、という気にすらなっているのであった。
●余談 英語ジジの話をきいたあと、ちょっと英語侍のことをおもいだしてしまった。25年くらいまえになにかの雑誌でちらっとよんだだけなのでくわしいことはもうすっかりわすれてしまったのだが、とにかく自称「英語侍」となのっているおっさんがいて、剣術武者修行中の侍みたいなかんじで、英語の他流試合とかそういうことをしてたらしい。どうやってたたかうのか、勝敗はどのへんでつけるのか、くわしいことはおぼえていないのだが、よのなかにはへんなひとがいるなあと感心して、それで「英語侍」のことはしつこくおぼえていて、そのことをおもいだしてしまいました。……もしかしてこの英語ジジがまさに英語侍そのひとだったりして。

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ロク

●まえおき。スロットの話なんで興味ないひとはよむ必要ないです。むしろよまんほうがいいでしょう。ながいし。
●きのうは地元の半腐れ店がイベントなのであさからいってみる。ちゃんと入場抽選をうけようとおもっていたのだが寝坊してうけられなかった。まえの晩に「湾岸リベンジャー」という本をよんでいたらけっこうおもしろくてやめられなくなってしまい、けっきょくさいごまでよみおえたときには明け方になっていた。おれは本をよむのがおそい。ちょっとだけねむって、ねぼけながら店にいくとすでに抽選はおわっていて、もう開店直前。抽選をうけたひとたちから優先入場がはじまって、しばらくまたされて最後に入場。開店時の客づきはぜんぶで40人弱くらい。ぜんぶでスロットが150台くらいあるスロット専門店で、あさイチの稼働率は30%くらいってところか。この日はこの店の、十日にいっぺんくらいずつある最強イベントで、おまけに土曜日なのだが、にもかかわらずこの客づき。この店が半腐れ店であるアカシだ。
●最強イベントといっても「全機種に6が1台ある」というもので、6というのは、いちおう説明すると、スロットには設定というものがあって、それは1から6までの6段階にわかれていて、1が最低で、6が最高だ。1はボロ負けする。6は勝てる。まあじっさいはそんな単純なものではなくて、1を打ったから必ず負けるとか、6を打ったから必ず勝てるというわけではないけれど、1を打つよりは3を打つ方が、3を打つよりは5を打つ方が、そして5を打つよりは6を打つ方が、勝てる率がたかくなる。6を打てればまずたいてい勝てる、という機種もたくさんある。「6を打つ」というのがスロットで勝つための基本のひとつだ。だが、どの台が6なのかはわからない。設定というやつは変更することが可能で、店は閉店後の客がいなくなったときにこっそりと、一台ずつ変更することができる。あさになればもう客はどの台の設定がなんなのかはわからない。6なんて店内に一台もないのかもしれない。6をおかなければならないなんていうきまりはもちろんないので、そういうことだっておおいにありうる。で、この店のこの日のイベントは、6が全機種に1台ずつおいてありますよ、というものだったわけだ。スロットにおける魔法の言葉、「ロク」。その言葉で客はいっぺんにモチベーションがあがり、あさから目一杯まわすことができるようになる。
●「全機種に一台ずつ6あり」というのは、この店の最強のイベントなのだが、じつはそんなにたいしたイベントではない。たとえば隣り町はいつのまにかスロットの激戦区になっていて、おれの地元とはくらべものにならない、すごいことになっている。「全機種に6が2台アリ、さらに全台6の機種アリ」くらいのイベントは毎日どこかの店でうたれている。「全台の1/2が6」なんていう発狂イベントまであったりする。激アツだ。そんな町が、クルマで30分もいったところにあって、このへんのスロッターはたいていがクルマを足にしていて、そしてもちろんスロッターは出る店があるときけば少々の遠出はまったく苦にしない。そういう状況で「全機種に6が1台アリ」が最強イベントなんていうのだから、この店が半腐れ店になってしまうのはしょうがない。でもまだ、このイベントがうてるから、全腐れにはならない。全腐れ店というのは、「高設定多数アリ」などというねぼけたことをいっている店だ。しかもその高設定というのは4のことだったりする。へたしたら3かもしれない。そういう店にはちかよってはいけないし、じっさいにそういう営業をふた月もつづけていれば、よほどなんにもかんがえていないスロ好きのオヤジくらいしかいないような閑古鳥状態になるから、そんな店は一歩あしをふみいれただけでわかる。反対にこのへんの優良店というのは、「全機種に6が○台」とかいうふうに、6という数字を具体的にうたっていて、それにつられて客があさから大挙しておしよせてくるので、これもまたあさの並びをみただけですぐにわかる。それならおれも優良店激戦区にいけばいいじゃないかといわれそうだけど、そうとはかぎらなくて、じつは意外と半腐れくらいのほうが勝ちやすいんじゃないか、というのがおれの考え方だ。
●入場がはじまって、みんなそれぞれおもいおもいの台のまえに着席する。おれの狙いは夢夢の6。夢夢は7台あって、客はほかにひとりもいない。わらえる状況だ。盛況なのはリオと、新台のおそ松くんで、こっちは全台満席だ。ほかのシマの状況はというと、設置機種は北斗、吉宗、番長、南国、鬼浜、ヒデキ、マンクラ、星3、銭形、鬼武者などなど、よその店とかわらないラインアップなのだが、南国の客づきがいいくらいで、ほかは夢夢のシマとあまりかわらない。1シマにひとりか、二人程度。リオの6がいかに魅力的なのかわかる。ふだんはリオなんてうつやつはひとりもいないのに、6が1台ありますよといっただけであさから全部うまってしまうふしぎな台だ。たしかにリオ6ならおれだってうちたい。通常時はあぜんとするくらいクソつまらない台だが、それでもうちたい。6ならまず勝てるからだ。大勝ちだってふつうに期待できる。機械割、というものがあって、たとえばリオと夢夢の機械割はこうなっている。

リオデカーニバル機械割
設定1  95.0%
設定2  97.0%
設定3  99.0%
設定4  102.0%
設定5  110.0%
設定6  119.0%

夢夢ワールドDX機械割
設定1  92.2%
設定2  96.5%
設定3  101.0%
設定4  105.7%
設定5  108.6%
設定6  110.4%

●データは「HAZUSE」から。ここはスロッター御用達の定番情報サイトだ。で、設定のとなりかいてある95%とか110%とかいうのは、大ざっぱにいって、たとえば95%なら100枚いれたら95枚かえってきますよ、という意味だ。110%なら、100枚いれたら110枚かえってくる。ちがうかもしれない。でもたぶんそういうことなんじゃないかな、とおれは理解している。これらの数値はたいていはメーカー発表なので、大本営発表みたいなものであんまり鵜呑みにするわけにはいかないんだけど、でもそんなになにもかもを疑いだしたらキリがなくなってしまうので、このへんは信じておく。それともちろん、スロットには波があるので、たとえば一日うったくらいではこの数字のとおりになるものではない。どんなに「安定している」といわれている機種でも一日くらいじゃ機械割のとおりはならない。もちろんなることもあるが、ならないことのほうがずっと多いはずだ。さらにいうと、安定よりも荒波がたつことをめざしている台もあって(けっこうそっちのほうが客に人気がでたりする)、そういう台はもう、設定なんてあんまり関係なくて、打ち手のヒキ次第で、低設定なのにばかみたいに出てしまったり、高設定なのにまったく出なかったり、そういうのがある。そのへんはふだんスロ屋でながめているとなんとなくわかってくるようになる。「あの台は6なら手堅く出る」とか「あの台は設定なんて関係ない、6でもでない」といったことがわかるようになる。「6狙い」であさからくる客が狙うのはもちろん、「6なら手堅く出る」というタイプの台だ。それともうひとつ、台選びをするさいの重要なポイントに、設定判別要素というのがある。機種によってそのゲーム性は千差万別で、設定がわかりやすい機種とわかりづらい機種がある。ゲーム性からはまったく判別できず、最終的な出玉で設定を判別するしかないような機種だってある。そういう台はあさイチからうつのにはあまり適していない。
●あれこれとごちゃごちゃもちだしてきてわかりづらくなってしまったので、ここでまとめておこう。「6狙い」をする客にとって、機種選択のポイントは、おおまかにいって三つある。
・安定して勝ちが見込める
・機械割がいい
・設定判別が比較的容易
ゲーム性(その台がおもしろいかおもしろくないかという意味での)というポイントはあまりないとおもう。もちろん、やっていておもしろい台をうちたい、というのは正しい姿勢だ。でも、「楽しみ」だけをもとめてスロットをうつにんげんのほかに、たんに「出玉」だけをもとめてスロットをうちにくるにんげんもいる。あるいは「出玉」だけが楽しみといってもいいのかもしれない。あさから抽選をうけてスロ屋にならぶやつには、出玉がすべてだ。そりゃおもしろくない台をうつよりはおもしろい台をうったほうがいいにきまっているが、それよりなにより出てくれるのがいちばんで、あとはどうだっていい。判別が容易で、安定してでてくれて、大勝ちも期待できる、そういう機種がみんなうちたがる台で、この店のラインアップでいうとリオが最右翼ということになる。
●それならおれもリオ6を狙うべきでは、といわれそうだが、そこはひとそれぞれの考え方で、もしおれが入場抽選をうけて運よくはやめの番号をひけていたとしても、やっぱりリオはうたなかったとおもう。夢夢をうったはずだとおもう。リオは、あさイチで全席うまるのがわかっていたからだ。もしじぶんがすわった台が6ではなかったときに、ほかの台はもうだれかがすわっていて、移動ができない。あさイチですわった台がハズレだったらもうリオはオワリ。しかもそのクジは7本のなかに1本しか当たりのないクジで、とても期待はできない。だったら、だれもいない夢夢のシマで一台ずつ判別しながらうったほうがいい。
●これは店選びにもいえることで、6が各機種に複数はいっている優良店よりも、6が各機種に1台ずつはいっている半腐れ店のほうが勝ちやすいんじゃないか、といったのとおなじことだ。店内の全部の台数と、そのうちの6の台数と、あさの客の並びの数と、その比をみくらべて店をえらぶべきだ、というのがおれのかんがえかただ。例をあげてみる。たとえばA店とB店があったとする。それぞれ店内にあるスロットの台数は200台で、

A店 今日は6が50台と大宣伝 並びが200人
B店 宣伝によると今日の6は20台くらい 並びが30人

という状況だったとする。どちらが6を掴みやすいか、すなわち、どちらが勝ちやすいか、というとB店だったりする。理由はたったひとつ、B店は「台移動ができるから」だ。スロットがぜんぶで200台で、客が200人ならんでいたら、それはもう勝ちやすいとはいえない。1/4が6だといっても、3/4は6ではないのだ。6狙いにこだわるのなら、まよわずB店にいくべきだ、とおれはかんがえる。6を大量にいれてくれる店を優良店とよぶのはかまわない。でも、「優良店=勝ちやすい店」ということにはならない。これは、おれにとっては簡単な理屈なんだけど、そうかんがえないひともかなりいるみたいで、ひとそれぞれである。いまどきはスロ屋もメルマガをだしていて、「明日は1/4が6!」なんてメールを送ってきたりする。それだけでもう勝ったような気分になってしまい、あさから並んでうちにいって、しかしけっきょくはボロ負けして「なんだあのクソ店は」なんて悪態をついてるひとがいるけど、そりゃそうだよ、1/4が6ってことは、3/4が6じゃないんだよ、しかも並びがきつくて、あさイチで6をつかめなかったらもうそこでオワリなんだよ、それじゃ負けることのほうが多いじゃないか、とおれはおもう。
●そんなわけで、満席のリオの6を狙うよりも、ほかに客のいない夢夢の6を狙ったほうがずっといいとおれはおもう。なにしろ「ほかに客がいない」のだ。その状態がつづいていれば1台ずつ順番にうっていけるわけで、そうすればやがては6にあたる。あたりまえだ。ほかにうってるひとがいないんだから。まあ、もちろん、リオに着席したひとも、リオがダメだったらそこで帰るというわけではなくて、ガラガラの店内のほかの機種でさいど勝負をいどもうとおもっているのだろうけど、それならはじめからほかの機種でうったほうがいい、とおれはかんがえる。できたらそれも、設定判別が容易な台がいい、とかんがえる。
●設定判別要素というのはほんとうに台によっていろいろで、夢夢はそうとうわかりやすいほうにはいる。設定1〜5と、設定6とでは、挙動がガラリと変わってしまう、という機種がさいきんわりとあって、夢夢はそういう部類にはいる。さらに夢夢は、設定変更をするとある特定のゲーム数でステチェン(ステージチェンジ)をする、というすごくわかりやすい法則がある。ちょっと話がこまかくなるのだが、夢夢には5種類のステージがあって、たいていはそのうちの三つのステージをいききしている。どのステージにいるかは液晶に表示されている。三つのステージというのは「原始時代」と「船の上」と「未来」の三種類で、どのステージにいようとボーナスへの期待度はかわらない。各ステージは20G〜120Gまでで、きめられたゲーム数を消化するとステチェンをする。設定変更をしたときは、21Gとか31Gとか41Gとか、下一桁が1のゲーム数で最初のステチェンするのだ。だから、たとえば91Gでステチェンしたら設定変更かもしれない、ということなる。55Gでステチェンしたら、それは設定変更ではない、ということになる。
●もちろんこれはじつは、あまりアテにはできない。簡単に店が対策できることだからだ。コマメに対策をしてくる店ではなんの目安にもならない。たとえば店が、設定変更した台を開店前に数ゲーム回してしまえば、それだけでもう通用しない。これはいちばん簡単な対策だ。あるいは、たとえば全台設定変更やリセットをされていることもある。全台が下一桁が1のゲーム数でステチェンしちゃうので、これもどれが6なのかはわからないことになる。それともうひとつ、前日の据え置きのままの台だったとしても、たまたま下一桁が1のゲーム数でステチェンをしちゃうことだってあるので、これもかんがえにいれておかなくちゃならない。つまり、下一桁が1のゲーム数でステチェンというのは、たいていは、気休めていどの目安にしかならない。ただ、すべての店が対策をしてきているとはかぎらなくて、なんの対策もしないでただ設定変更するだけ、という店もちろんあるわけで、その店のクセとか、やりかたとか、さまざまなので、そのへんはじぶんがいる店がどういう店なのかを把握しておく必要がある。ちなみにおれが地元でいく店は3店あるのだが、どの店も夢夢にかんしてはめんどくさいことはしていないみたいだ。設定変更してきた台はすなおに下1桁が1のゲーム数でステチェンしてくれる。これはじつはものすごくありがたいことで、これがあるからおれはほかにもたくさんの機種があるなかでわざわざ夢夢をえらんでいるその理由だったりする。
●店のクセややりかたをしっておくというのは、とくに重要なポイントのひとつだ。この日おれがいった店はめったにいかない店なのだが、前回のイベントのときに下見をした。客づきをみて、半腐れであるのを確認して、これなら6がつかめそうだな、とおもった。もうひとつ、6がそのとおりの挙動をしているのか、という確認もぜったいにしておかなくてはならない。ガセ札、というパターンがおうおうにしてあるからだ。とくに半腐れや全腐れの店は注意が必要だ。ガセ札、というのはつまり、このへんではどの店も「6アリ」のイベントをうったときには閉店の一時間くらいまえになると「きょうの6はこの台でした」ということで、6の台に札をさしていく。試験の答え合わせみたいなものだ。このときに、6ではない台に平気で6の札をさす店がある。客のほうからしたらたまったもんじゃない。でも、たしかにそういう店はある。しょせんパチンコ屋というのはハウスルールが最優先される場所なので、「ウチはこういうやりかただ」といわれたらもうしょうがない。客はただ、そういう店にはちかよらないようにするしかない。せいぜい、2ちゃんねるで「あの店のイベントはガセだ」と毒づいてうさをはらすくらいしかない。そういうことがあるので、店をえらぶときにはまず下見をして、イベントが信頼できるものかどうか確認しておく必要がある。
●スロットで勝つ、というのもけっこう大変だ。もちろんスロットは勝負だ。なにに対しての勝負か、といえば、台との勝負であり、店との勝負であり、ほかの客との勝負でもある。それらのすべてについて、しらべなくちゃならない。スロットで勝つというのも、そんなにラクなことじゃない。もちろん、そうじゃないスロットのあそびかたというのもある。なにもかんがえず、おもいたった時間に店にいって、やりたい台の、たまたまあいている台をうつ、というやりかただってある。たぶんそのやりかたは正しい。スロットなんてその程度のものだ。そして、そういうやりかたではとうぜん勝てなくて、そういうひとたちが落としたカネがスロットの世界のすべてをささえていく。
●開店時間になって、おおいそぎで回しはじめる。一台でも多くうたなくちゃならない。あさは目一杯のスピードでまわす。いまは客がいなくても、そのうちほかの台で見切りをつけたひとがやってくるし、開店時間をすぎてからボチボチと店にやってくるひとだっている。そういうひとたちがくるまえに6を掴みたい。一台目は前日のボーナス後15Gヤメから。いちおう前日の閉店時に確認をして、夢夢全台の最終G数はメモしてある。閉店チェック、というやつだ。夢夢の6狙いにはあまり意味はないが、いちおうしていないよりはしておいたほうがいい。スロットは、もし勝とうとおもうのなら閉店チェックは「絶対にしておくべきこと」だとおもう。いちいちそんなことやってられるか、というひとはおおい。むしろそっちのほうが大多数だ。でもそのおかげで、閉店チェックをしないひとがおおいおかげで、閉店チェックをしたおれはあさイチの時点でおおきなアドバンテージをもっていることになる。たとえばこの日は前日ボーナス後12Gだけまわして閉店になった鬼浜がある。ボーナス後123Gの吉宗もある。連荘してボーナス消化中だった番長もある。ボーナス消化中だった鬼武者もある。どれもこれも、まわしてみたい台ばかりだ。じっさい、こういう台の、濃いゾーンだけまわしていればトータルでは勝てるはずだ。でもこの日は夢夢の6狙いが最優先なので、ほかの台はとりあえずあとまわし。この日の閉店チェックのデータは、夢夢がダメだったとき、店内をみまわして、もしまだゾーンがまわされきっていない台があったらやってみよう、という程度の情報でしかない。6狙いの日は、そういうことになってしまう。
●じつはおれはめったに6狙いはやらない。前日の閉店チェックの情報をいかして、期待のできる台だけをうって、そういう台がなくなったらさっさとかえってきてしまう。スロットとはそういうつきあいかただ。おれは「当たる」のがすきなのだ。それはだれでもすきか。ともかくおれは当たるのがすきで、当たってくれるのなら、閉店チェックくらいはよろこんでする。そして当たってくれればもうそこでほとんど気がすんでしまう。そんなにでなくてもかまわない。当たってくれればいい。ふだんはそういうやりかたなのだが、ときどき、むしょうに「6を一日中まわしてみたい」という欲求にかられることがある。この日はそういう欲求を解消しようとした日だった。より確実に6をつかもうとすると、店選びや台選びなど、いろいろとかんがえなくてはいけないことになる。たとえばふだんおれがかよっている店はライバルが多いからダメで、それでわざわざこの半腐れ店にやってきたのだし、なかでも設定判別が容易でほかに客がたぶんいないだろう夢夢をえらんだのだった。
●一台目の夢夢は、いきなりチャンス目が2回もでて、どうも高確スタートっぽい。設定変更後は低確スタートということになっているので、高確スタートは据え置き濃厚だ。あんのじょう43Gという中途はんぱなゲーム数でステチェン。高確からのステチェンはボーナスの期待ができるので、念のためそのあと20Gだけまわしてヤメ。それよりも次の台をまわしたほうがいい。二台目は79Gでステチェン。そこで即ヤメ。三台目でついに、61Gでステチェンしてくれる。設定変更の可能性あり。つまり、6の可能性あり、だ。この台は挙動に注意して、しばらくうってみる価値がある。夢夢の6がどんな挙動をするのかについては、そこまで説明しだすときりがなくなっちゃう気がするんだけど、いちおうおおまかに説明すると、
・高確にあがりやすい。いったん高確にあがるとなかなか落ちない。
・低確からでもあたってくれる。
・連荘はあまりしない。そのかわり、そんなにははまらない
という特徴がある。ぜんぶあたまに「ほかの設定にくらべて」というただしがきがつく。とくにさいごの「連荘はしないがそのかわりはまらない」というのは、さいきんの台にみられる傾向だ。6はあんまり負けない。たいてい勝てる。安定して勝てる。でも大勝ちはあまり期待できない。さいきんの台の6はそういうのがけっこうある。設定1〜5が荒波でヒキ勝負なのに対して、6だけはゲーム性をがらりと変えて安定して一日中まったりとあそべる、ということになっている台がある。そして、この店にあさイチからやってきた連中は、一日中まったりよりも、あくまで出玉重視で、爆勝したい、というやつばかりだったようで、それで夢夢はおれのほかに客がいなかった、ということになる。ちがうかな。たんに客の数がすくなかっただけなのかな。北斗にも吉宗にもあさイチは客いなかったしな。
●ともかく、この台はうってみる価値がある、と三台目の台で腰をすえようとしたやさきに、ステチェンして5Gほどであたってくれる。さいさきのいいでだしだ。ところがこのあと2連して、6の可能性がちょっとさがる。さがったといってもちょっとだけだ。6でも3連くらいはふつうにしてくれる。それよりも初当たりが軽かったのが6っぽい。あとは、ステチェン後に高確によくあがってくれるか、高確にあがったらなかなか落ちないか、そしてすぐにあたってくれるか、というところに注目してうつ。「この台は6かもしれない」とおもいながらうつときがいちばん緊張し、かつたのしい時間だ。6だとわかってしまったら、あとは退屈なだけだったりする。そしてボーナスを10発くらいひいたところで、「これはたぶん6なんだろうな」とおもう。そこまで、6を否定する要素がなにもない。むしろすべてが6をしめしている。それと、このころになるとほかの台はぜんぶだれかに回されていて、ほかに6っぽい台は一台もない。これは6なんだろうな、ということでニョーボに「夢夢のロク、つもっちゃった」と報告する。きょうは一日じゅうスロットをうつから、という意味だ。相方もスロットについて知識があると、いちいちこまかい説明などせずに「ロクだ」といえばもうそれだけでみんなわかってくれるから便利だ。きょうは丸一日スロットだ。覚悟をきめておれは台にむかう。ながくて退屈でしんどくて、でもなぜかたのしい一日がはじまる。

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December 02, 2005

注文の多いネットショップ

さむくなってきたので冬用の靴をかうことにした。ネットでかうことにした。そんなに高い靴をかうつもりはないんだから、ネットでいい。さすがに靴っていうのはサイズがあわないときはガマンしてはきつづけるわけにはいかないが、たいてい大丈夫だろう。ほんとうにダメだったときは返品して交換してもらうしかないけど、でもまあ、たいてい大丈夫だよ。しらないけど。そりゃできるならじっさいにはいてみてからかうのがいちばんだけど、だからといってわざわざ靴屋までいくのはめんどうくさい。そして、めんどうくさいおもいをしていった靴屋で、気にいった靴がすぐにみつかるとはかぎらない。むしろ、たいていは、みつからない。靴屋を何軒もみてまわって、結局気にいるのがなくてあきらめてかえるか、気にいったわけではないんだがガマンしてかっちゃうかということになる。それだけのことで、移動をふくめればかるく三、四時間かかってしまう。それほどのテマヒマをかけて、けっきょくは手ぶらでかえってくるか、気にいらない靴をかってかえってくるか、そんなことになるくらいなら、ネットで買うほうがずっとてっとり早いし、気にいった靴がみつかる可能性だってずっと高い。なにしろ店から店への移動はほんの数秒だ。あっというまにものすごい数の靴をみくらべることができる。へたな鉄砲も数うちゃあたるっつってね。そのうち気にいったやつがみつかるだろう。こんなかんじでちかごろおれは、買い物はもっぱらネットですましちゃうことがおおかったりする。おれは24時間電源がはいりっぱなしの、ついでにネットに接続しっぱなしのパソコンのまえにすわりこんで検索をはじめた。ショップはすぐに何軒もみつかって、そのうちおれがイメージしていた靴とぴったりの靴がみつかったので、これをかうことにした。こんどはこの靴の商品名で検索して、取り扱っている店をさがす。数軒あって、値段を比較する。にたりよったりの値段がついているのだが、そのなかで一軒、ほかの店の1/2以下の値段でうっている店がある。「注文の多いネットショップ」というのがそのショップの名前だった。ふざけた名前だ。さいきんはじぶんのとこの店名をおぼえてもらおうとして、へんてこな名前をつける店がおおい。まあ店名がなんだろうとほしいモノが安く買えればいいわけで、おれはこの店で買い物をすることにした。初めての店なのでやりかたはわからないが、だいたいどこもおなじようなものだろう。目立つところにあるボタンをはいはい押してれば買えるはずだ。まずおれは、ほしい靴の画像のしたにある「買い物カゴへ」というボタンをクリックしてみた。画面が切り替わって、いきなり利用規約というやつになった。ものすごく細かい字でびっちりと、以下甲とするが以下乙とするに対して日本国の法律に基づいて契約が免責の賠償でどうしたこうしたと書いてある、いつものアレだ。こんなものにいちいちつきあっている義理はないのでマウスでぐいっといっきにスクロールしてページのいちばんしたを表示させる。「確認」というボタンがあったのでとうぜんクリックする。画面が切り替わって、またしても契約画面だ。さっきよりももっと細かい字でぐだぐだとかかれている。なんで二回もこんな画面がでてくるんだ? めんどうくさいなもう、とおれは舌打ちをしてよみとばし、こんども画面のいちばんしたまでスクロールする。「同意する」というボタンがあるのでクリックする。また画面が切り替わる。こんどは入力画面だ。名前、メールアドレス、もう一回メールアドレス、パスワード、もう一回パスワード、住所、電話番号、携帯電話番号、を入力させられる。ぱたぱたぱたぱた、とキーボードを叩いてぜんぶ入力する。いちばんしたの「登録する」というボタンをクリックする。画面が切り替わって、「栗田様、ご登録ありがとうございました!」というメッセージがでてくる。そのしたに、なにかおかしなことがかいてある。

「それでは、以下の簡単なアンケートにおこたえください。
・どうでもいいのだけれど、あなたは幸せですか
・あなたの両親はあなたをどんな人間だとおもっているとおもいますか
・または、あなたの身近なひとは、あなたをどんな人間だとおもっているとおもいますか
・そもそもあなたは、自分自身を何様だとおもっていますか
・そんなことでいいとおもっていますか
・ではもういちどききましょう。あなたは幸せですか」

なんじゃこりゃ? こんなけったいなアンケートはみたことがない。余計なお世話もいいところで、けんかをうっているようにさえみえる。もちろんこんな質問にこたえる必要はないので、いちばんしたにある「次に進む」というボタンをクリックする。画面が切り替わる。

「栗田様、そうではありません。このアンケートは、義務です。回答しなければいけないんです。質問に対する回答欄が空欄のままになっています。すべてを記入してから次にお進みください。
・どうでもいいのだけれど、あなたは幸せですか
・あなたの両親はあなたをどんな人間だとおもっているとおもいますか
・または、あなたの身近なひとは、あなたをどんな人間だとおもっているとおもいますか
・そもそもあなたは、自分自身を何様だとおもっていますか
・そんなことでいいとおもっていますか
・ではもういちどききましょう。あなたは幸せですか」

は? 義務? 義務ってなんだ? なんでそんな義務があるんだ? おれは靴が買いたかっただけだぞ? なんでそんなアンケートにこたえるのが義務なんだ? おれは代金を入金する。おまえは商品を送り届ける。それがすべてじゃないのか? なんだこのふざけた店は。いっそもうこの店での買い物はやめようかともおもったが、やっぱり他店の半額は魅力なのでもうすこしつきあってみる。アンケートにはこたえず、もういちどいちばんしたの「次に進む」をクリックしてみる。

「おまえもわからないやつだな、栗田。どうせおまえもあれだろ、さいしょの「利用規約」とそのつぎの「契約事項」をよみとばしたクチだろ? おまえ、あれちゃんとよまなかっただろ? あそこになあ、しっかりかいてあるんだよ。ちゃあんとかいてあるんだよ、「乙(おまえのことだ、栗田)はいかなるアンケートにも誠意をもって回答することとする」ってな、契約事項の第35条3項にな、そうやってかいてあるんだ。そのほかにもまあいろいろとあるんだけどね、ヒヒヒ、おまえ、あれに同意したよなあ。「同意する」のボタン、クリックしちゃったよなあ。おまけにそのあと、個人情報まで入力しちゃったよなあ。ヒヒヒ。こっちはもう、おまえの名前も住所も電話番号もわかってるんだからな、おい。そこのところをようくかんがてみるこった。なあ。こっちはその気になりゃあもう、なんだってできるんだぞ? わかってるか? なあ? 追い込みかけてやろうか? 職場に街宣車まわしてやろうか? 家に火ィつけるか? おい。そうしてほしいのかよ。おい。どうなんだ。な。よくかんがえてみるこった。だからもう、しょうがねえんだ。あきらめてちゃっちゃっとアンケートにこたえとけ。おれもあんまりめんどくせえことはいいたくねえんだ。おまえだってききたくねえだろ? こうやってまだ、紳士的に話しあいで解決できるうちに解決しようじゃねえか、なあ。わかったか。じゃ、まずはアンケートだ。ここでおまえの誠意ってやつをみせてもらおうじゃねえか。オラ。
・どうでもいいのだけれど、あなたは幸せですか
・あなたの両親はあなたをどんな人間だとおもっているとおもいますか
・または、あなたの身近なひとは、あなたをどんな人間だとおもっているとおもいますか
・そもそもあなたは、自分自身を何様だとおもっていますか
・そんなことでいいとおもっていますか
・ではもういちどききましょう。あなたは幸せですか」

………。な、なんだか雲行きがおかしいんですけど。け、契約事項? たしかにそれはあったけど、たしかにそんなもんよまなかったけど、え、だってそれ、どういうこと? そんなのいままでよんだことないし、よまなくたっていちども問題はおきなかったし。なんだよそれ。紳士的に解決ってなんだよ。ななな、なにを解決するんだよ。ここは靴をうってくれるところじゃないのか? おれは靴をかおうとしただけじゃないのか? 架空請求とか、ワンクリとか、あれなの? もしかして、そういうやつなの? さすがにこれはちょっとびびってきたので、もういちど契約画面を確認しようと、ブラウザの「戻る」をクリックした。とたんに別ウィンドウがひらいて、「now loading」という表示が画面中央でブリンクしている。なんだ? なにをロードしてるんだ? あわててあちこちをクリックするのだが画面は消せない。どうにもならない。そうこうするうちにロードは完了し、フラッシュムービーがはじまった。ごていねいにトランス風の音楽までついていて、それにあわせて文字列が右からあらわれて左にきえ、中央からあらわれてズームアップして爆発し、炎がつぎの文字列に変化した。
「ネットショッピング。便利。ワンクリック。OK。便利。簡単。文明。楽勝。……だけど……。ちょっと待って。落とし穴。気をつけて。落とし穴。インターネットの普及と共に、ネット上での悪徳商法や詐欺などの犯罪行為が増加の一途をたどっています。面倒くさいからと契約内容を確認せずに個人情報を記入するのは危険です。自分の身は、自分で守ろう。copyright C 2005 ネット詐欺被害者友の会」

ネット詐欺被害者友の会……? なんだ? これはつまり、その会の啓蒙サイトかなんか、そういうやつだったの? 犯罪防止キャンペーンかなんか、そういうこと? ………。おれは買い物をする気力などすっかり消え失せて、画面のまえでつっぷした。フラッシュが自動的にリロードされて、またおなじ音楽と映像がはじまった。

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December 01, 2005

さいきんのプロ野球

みなさんさいきん日本のプロ野球ありますか。ないですか。まったくないですか。わたしもないです。ここ二十年くらい、みずから能動的に「きのうの試合結果はどうだったのかな」と新聞のスポーツ欄をひろげたりすることはなく、あくまで受動的に、たまたまタレ流されていたテレビのスポーツニュースをなんとなくながめて現在の状況をしるという、そのていどです。そういう人間にとってさいきんのプロ野球はどの程度に認識されているのか記します。関係者のかたがたのご参考になればさいわいです。なるわきゃないですが。あと、関係者じゃなくて野球のこともよくしらないというかたがたは、参考にしないでください。信じないでください。
●さいきんのプロ野球ぜんたいの印象
サチがうすい。
●セリーグ優勝チームと順位
2005年の優勝チームは阪神。これは自信があります。二位以下はしらない。いちおう「なんとなくそんな気がする」という順位をかいておくと、二位は中日かな? 一時、阪神と優勝争いをしていた気がする。三位以下はまったくしらない。いちおう三位はヤクルトにしときます。四位巨人。五位横浜。最下位阪神。…あ、すいません、つい習性で。でも阪神じゃなきゃあとどこだろう。どこだっけ? 楽天? 楽天ってパリーグだよな。あとなんだ? あ、広島か。…ごめんなさい。わるぎはないんです。ただ、すなおに、しっていることをかいたらこうなるんです。
●阪神
岡田監督。星野はなんか黒幕っぽいポジショニング。一時、星野が巨人の監督になりそうとかさわぎがあって、たまたまそのころスポーツ新聞をよんだら金田が星野をののしってておかしかった。選手はだれがいるのかあまりしらない。アニキというのがいる。金本? というなまえだったとおもう。二の腕のりっぱなひと。久保田っていうピッチャーがいる。井川っていうピッチャーもいる。井川はテレビゲームばっかりしてるらしい。阪神ファンはいまだに七回になるとフーセンをとばしている。ちらかるからそれやめろよ、とこころのなかでいつもおもうのだがこわくてくちにはだせない。
●中日
落合監督。ということはつまり、真の監督は落合のヨメさん。なかなかてごわいチーム。選手はだれがいるのかしらない。
●ヤクルト
若松監督? ちがう? とにかく、来年は古田監督。プレイングマネージャー。去年ナベツネに「たかが選手が」と暴言をはかれて、アタマにきて監督になった。という経緯があったらいいなとおもう。でもほんとはちがうんだろうな。でもおれのなかでは古田プレイングマネージャー誕生のかげにはそういうストーリーがあったのだと勝手に信じこまれている。
●巨人
堀内監督。キャンプのころヒゲをはやしていて、あれはなかなかふざけててよかった。でもチームはボロボロ。巨人はどうも、なにをやっているのかよくわからないが、とにかくボロボロで人気もボロボロ、という印象がある。来年は原監督。選手はさすがにけっこうしっている。まず清原。清原はおかしい。野球中継で、清原がでてくると、野球以外のものをみているような気がしてくる。歌手が歌を歌ってるのをみてるみたいな。スポーツをみている気がしない。松井はもちろん、いなくなってしまった。元木は引退したらしい。桑田はまだ陰気にがんばってるらしい。あとローズがいる。ローズはなんとなくいいやつっぽい。あと小久保っていうのがいる。ダイエーで四番かなんかだったやつ。
●横浜
監督はしらない。選手もしらない。佐々木は引退。個人的な印象なんだけど、15年くらいまえに横浜スタジアムに試合をみにいって、試合がはじまるまでちょっと時間があったのでパチンコ屋でパチンコを打って、二箱くらいでたんだけど、トイレにいっているあいだにその二箱をネコババされてしまった。それいらいどうも横浜ときくとムカっと怒りがこみあげてきて、いいイメージがない。そんなことでうらまれても横浜のみなさんもこまるだろうけど、そうなのはしかたがないのでごめんなさい。
●広島
監督はしらない。山本コージなのかもしれない。そんな気もちょっぴりするけどぜんぜんちがうかもしれない。選手もしらない。奥田民夫が広島市民球場でライブをやった。というのが、ことしゆいつの広島にかんする知識。しかもそれはほんとに行われたのかどうかしらない。やる予定だ、とだれかがいっているのをなにかでみかけただけだったりする。もしかしたらだれかがいってるのをなにかでみかけたとだれかがいっていたのをきいただけかもしれない。ものすごくうすい情報。
●パリーグの優勝チームと順位
優勝はロッテ。でもリーグ戦の一位はダイエー改めソフトバンク。二位と三位は西武とロッテ。どっちがどっちかはしらないけど。ここまではたぶんあってるとおもう。なんでしってるのかというと、なんかおかしなことをやってて印象に残ったから。年間とおしてリーグ戦をやってその結果で優勝をきめるんじゃなくて、さらに一位と二位と三位でもういっかい五試合だか七試合だかしらないけど試合をやって優勝をきめましょうという、世間のあらゆる方角から非常識といわれているおれでさえそれは非常識なんじゃないかとおもってしまうような、ふしぎな方式で優勝をきめていた。いいのそれ? それでみんななっとくしちゃうの? とふしぎになった。ときどきよのなかにはまったく理解できないことがおれにはあって、これなんかもそうです。でもおかげで上位三チームがソフトバンクと西武とロッテなのはわかってしまいました。四位と五位は日本ハムとオリックス。どっちがどっちかはこれもしらない。六位は楽天。おお。パリーグのほうがセリーグより順位を把握している。
●ロッテ
バレンタイン監督。イチバンデ〜ス。選手はイマエ(?)というのがいる。笑顔が魅力的。そのほか若手がみんな元気でたのしそうなチーム。なんでしってるかというと、こないだ関口宏のフレンドパークをみていたらロッテの若手が五人くらいでてきて、すごかったのでおぼえてしまった。ほとんどのゲームをかるがるとクリアしていた。若手のプロ野球選手の運動能力ってすごいなあと感心した。でもエアホッケーだけはホンジャマカに負けていた。してみるとホンジャマカがいちばんすごいらしい。あと外人選手でハワイのやつがいる。かれもいいやつっぽい。ロッテファンは客席でとびはねて応援する。日本シリーズのとき、甲子園はみんなでとびはねると危険なので禁止にさせられた。そもそもどの球場でもみんなでいっせいにとびはねるのはまずいとおもうんだけどそういう話にはならなかったのだろうか。ともかくロッテファンはことしはたのしかっただろうなあとおもいます。おめでとう。
●ソフトバンク
王監督。あと、あのキャッチャー。あれ? なまえがでてこない。どわすれしてしまった。とにかくあのキャッチャー。こう、カドばったかんじのやつ。あとはしらない。へんてこな優勝決定方式でワリくっちゃったチーム。へんだろうあのやりかたは。ほんとふしぎだよ。
●西武
伊東監督? あのキャッチャーだったひと。それともぜんぜんちがう? わからない。選手は松坂。あとはしらない。
●日ハムとオリックスと楽天
日ハムにはもちろん、シンジョーがいる。生ける伝説シンジョー。ゴレンジャーの格好ででてくる。ダースベーターの格好もする。コスプレイヤーシンジョー。でもしってるのはそれだけ。オリックスはなにもしらない。いまでもあるのかなあ、とすこし心配になりさえする。野球ってさいきんごちゃごちゃしててなんだかよくわからないよなあ、という印象があるので。さらには、よくわからないけどなんでもアリだよなあ、という印象まであるので。楽天は田尾監督。選手はしらない。ものすごく負けてた。記録的に負けてた。大盤振る舞いじゃ。
●日本シリーズ
ロッテが四連勝で優勝。結果とどうよう、試合も一方的な内容のものがおおかったらしい。四試合目の後半はテレビでみた。たぶんことし野球中継をみたのってぜんぶで三時間くらいだとおもうんだけど、そのうちのはんぶんくらいはこの試合。
●そのた。まず視聴率
巨人戦のテレビの視聴率が異常なくらいさがってて関係のあるひとたちがあわててるらしい。でもそれは異常じゃないとおもうよ。いままでが異常だったんだとおもうよ。
●ドラフト
いまだにやっている。ハズレのくじをひいた監督が当たりをひいたと錯覚してよろこんでしまい、周囲もその反応をみて「あああの球団が当たりをひいたのか」とおもいこみ、選手もそうつたえられて記者会見で意気込みをかたったりして、ところがそのあとごめんなさい、実はまちがってましたあということになって、さいど記者会見で選手が「……」となるという、どっきりカメラみたいなできごとがあった。「野球は筋書きのないドラマだ」というのはこのことか、と実感した。
●ホリエモン
衆議院議員選挙に広島6区から出馬。広島カープ買収の布石では、とテレビでいっていたのをみた。ホリエモンの広島買収っていう話はときどききくんだけど、ほんとなのかな。そうなったらなんとなくたのしそうでいいな、とおもう。
●村上ファンド
阪神株式上場。がどうしたこうしたでモメてたひと。ひとじゃないのか。あのひとはしたの名前はなんていうんだろう。めんどくさいので本名も「村上ファンド」に改名してくれると助かる。んで、あの話はその後どうなったのか、よくしらない。とりあえずこのさわぎのおかげでまたナベツネがちょこっとでてきたのでたのしかった。
●ナベツネ
ナベツネというのはけっこうすきである。あれはおかしい。とくに去年は当たり年だったんだけど、調子にのりすぎてるのに気づいてしまったらしく、ヨミウリのオーナーを辞職しちゃったのはおしいことであった。ていうかなんでそんなことばっかりしってんだろ。首位打者もホームラン王も最多勝投手も防御率一位もなんにもしらないのに、ナベツネだの村上ファンドだのホリエモンだの、そんなのばっかりしってる。あとさいきんだと楽天がTBSを買収しようとして、そしたら横浜ベイスターズはどうすんだとかいうのもあった。どうもかんじんの野球より、買収とか経営とか運営とかいったことに世間の興味がうつっていて、結果的におれのところにたどりついてくる情報もけっきょくそんなのばっかりになってるみたいな気がする。そんなことでいいの野球界っ。などとぜんぜん心配なんてしてないくせに無責任にさけんでみました。
●あっ、おもいだした。ジョージマだ。城島。は〜。(せいせいしたためいき)

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