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October 07, 2005

120円玉っていうのはつくれないですかね

●むかし消費税というのがはじまったときに、それまで100円だった自動販売機の缶飲料がいっせいに110円になって、あまりのめんどうくささに愕然としたおぼえがある。それまで100円玉をぽんといれてボタンを押せばそれですんでいたのに、110円になったおかげで、いちいち財布のなかから100円玉のほかに10円玉をさがさなくちゃならない。10円玉がないときには100円玉を2個投入して、お釣りの90円がおちてくるのをまって、それをとりだしていちいち確認しなくちゃならない。とつぜん事態はものすごく複雑なことになって、これからさきおれは一生このめんどくささから逃れられないのか、いったい残りすくないじんせいの貴重な時間のどれくらいをお釣りの確認に費やさなくちゃならないのか、とめのまえがマックラになるおもいがした。もちろんおれはちょっとだけまちがっていた。それからあとずっと110円だったわけではなく、いつのまにか120円になっていたからだ。でも、めんどくさいことにはかわりがない。缶飲料の値段が110円になったときに、その不便さに辟易した知人のひとりが「一本100円というのはそのままにして、かわりに11本に1本、ハズレがでてくるようにすればいいのに」とまがおでいいだした。1/11の確率で商品がでてこない。いや、でてこないというのもなんなので、からっぽの缶がコロンとでてきて、「納税」とかなんとかシールでも貼っておけばいい、というようなことを真剣にかたりだした。長い時間でかんがえれば最終的にはとんとんのあたりにおちつくはずだし、いちいち100円玉と10円玉を財布からさがしたりお釣りを確認したりする手間がはぶけるぶんだけそのほうがずっといいじゃないか、というのだ。そのときはわらってきいていたけど、意外とこれは名案なのかもしれなくて、いまだに缶飲料を自動販売機でかうときにこの話をおもいだしたりする。財布のなかから小銭をさがすときや、お釣りが落ちてくるのをまっているとき、わすれられない十代の恋人のようにおれはこの案をおもいだしたりする。

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