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September 02, 2005

マスク

●マスクマンはつねに完成されている。完成された姿でとつぜんわれわれのまえにあらわれる。そこがおれたちにんげんとちがうところだ。にんげんはすこしずつ変化をして、成長してるんだか退化してるんだかしらないけどともかくちょっとずつ変化をして現在にいたる。たとえばいまのおれにしたって、いきなりこんな40すぎのオヤジとしてこの世界に登場したわけではない。ここにいたるまでの苦節40年、それはもうきくもナミダかたるもナミダの物語があって、そうして現在のおれがいるわけである。ところがマスクマンは、変化もなにもない。さいしょからその姿であらわれる。スパイダーマンだってそうだしバットマンだってそうだしデニスロドマンだってそうだ。いやロドマンはちがうのか。ともかくスパイダーマンやバットマンは、かれら自身にしてみたらそうなるまでのいろいろの苦難や苦悩はあったのだろうが、われわれからしてみたら、いきなりスパイダーマンであり、いきなりバットマンである。そしてこのさきずっとスパイダーマンであり、バットマンでありつづける。ポイントは、マスクなのだとおもう。マスクを着用したとたんに、かれらはいっぺんに完成されてしまうのだ。してみると、マスクというのはじつにふしぎなものだ、そうはおもわないかね、諸君。
●えと、なにがいいたいかというと、カッパのマスクがうちにあったりします。なんでそんなものがというとね、七月の下旬にじもとのパチンコ屋で「カッパまたはカエルの格好をしてきたら北斗の6を進呈。マスクのみでも可。ただしその格好のままでうつこと」というふざけたイベントがありまして、たしかにふざけはてたイベントではあるものの北斗の6の魅力にはかてず、ヨメに土下座をしておねがいをしてカッパのマスクをつくってもらいました。そしてもちろんこいつをかぶってパチ屋にいきましたとも。「北斗の6を進呈」というのはスロットをやらないひとには意味がわからないでしょうが、40すぎのオヤジでさえ前後の見境をうしなってカッパのマスクをかぶるくらい屁のカッパとなるくらいのありがたいものだとおもってください。「一生のお願いだ」とヨメに土下座をしてマスクをつくってもらうくらいのものだとおもってください。そんで、うちにいってどうだったかというと、もう前夜からカエルの着ぐるみをきた連中が大挙して徹夜でならんでて、人数ぶんの北斗の6はとっくにうまってて、おれのカッパのマスクは日の目をみることなくおわりました。かわいそうなカッパマスク。もったいないのでせめてここで全国のみなさんに発表しておきます。ウシクカッパマスク。

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